解雇の有効性については、事案によって千差万別ということになるかとは思いますが参考までに事例を二つ程あげておきます。①アナウンサーが朝の番組の出演を寝過ごして放送できなくなったという失態を2回繰り返したので解雇したケース②事務職として採用した従業員がしばしばミスを繰り返し、顧客からのクレームもたびたびあったため解雇したケース。この二つのケースは中小企業でよく相談が多い典型ではないかと思います。いわゆる、失敗が多い従業員の方について能力不足を理由に解雇するというケースです。ここでは深くは書きませんが、この2件の事例の内容で実際に解雇が無効となったものがあります。無論、色々な背景や事情があり総合的な判断としてそのような結論がでているので、同様のケースで必ず解雇の有効性が否定されるわけではありません。ただ、経営者の方が認識しておく必要があるのは従業員の方の能力不足等が見受けられる場合に、その改善を促すための働きかけおよび支援体制の無いまま、漫然と行う解雇は無効とされる可能性があるということです。「給料を支払っている以上、それに見合った働きがなければ当然解雇だ」と直情的な行動に移る前に、そこまでの経緯を見つめなおし丁寧な対応を心がけるべきです。